なんとなくサンネット日記

2010年7月28日

〈私〉の時代 №5

Filed under: つぶやき — 投稿者 @ 5:54 PM
都会にもトンボが…

都会にもトンボが…

 自由に基づく諸理論は、どの権利が功利主義…に勝るかという点では一致しないものの、ある特定の権利が基盤となり、尊重されるべきだという点では一致する。

 だが尊重に値する権利を選び出すことはせず、人々の嗜好をあるがままに受け入れる。われわれが社会生活に持ち込む嗜好や欲求について、疑問や異議を差し挟むよう求めることはない…私には、これは間違っていると思える。

 公正な社会は、ただ効用を最大化したり選択の自由を保障したりするだけでは、達成できない。公正な社会を達成するためには、善良な生活の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはいけない。(『これからの「正義」の話をしよう』P335)

 自由主義は、文化的(道徳的)な価値を問わない。優先すべきは自由と権利である。それだけで公正な社会が実現するとは思えない、というのがサンデルの考えだ。ほんとうにそうだ。

 価値を問い続け、しかし一致することはない多様性を受け入れる公共の文化、それを試みようと発言している。

 結果ではなく、プロセスに目を向けようといっているようだ。どのようなモノを獲得するかではなく、いま存在している意味を問おうと呼びかけているようだ。…確かにそうだと思う。

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