「私たちの言葉には“働く”という言葉がないわ。
“助け合う”という言葉が、「働く」にもっとも近いわね。」
(NHK(BSスペシャル)『地球を救う女性たち 第4回 アメリカ 母なる大地を守るショショーニの人々からのメッセージ』1995年6月1日放送。マリー&キャリー・ダン姉妹の言葉。)
「働く」という言葉の周りに、いくつもの観念が浮遊する。太陽の周りを惑星・準惑星・小天体が巡るように。
社会で一人前になる。技能や技術を獲得する。それなりの人物と認められる…。これらに共通するのは、「働く=私」という観念だ。
働く後姿を見て育つ。働くは傍(はた)を楽にする。いい仕事してますねぇ…。これは、社会の仕組みに関与する業としての「働く」。「働く=社会関係」という観念。
ダン姉妹のいう通り、個人の「働く」は、共同する「助け合う」から生まれてきたのだろうと思う。個人も共同体から生まれてきたのだから。その逆ではないし、逆にはならない。地上に光が届いて、生物に眼ができたように。