事業報告
平成21年度事業報告平成21年4月1日から平成22年3月31日まで
1、事業実施の成果
私たちが直面している課題1
障害福祉サービスの事業所職員が増え、職員と利用者の関係のあり方が課題になってきました。この課題は、個々の職員の姿勢や知識のあり方だけにとどまらず、私たちの就労継続支援事業B型の運営方法の基本に関係していることです。
就労継続支援事業は、「オープンスペース」という形を元に発展しました。日々の利用者の利用開始・終了時間を本人の決定にゆだね、そのため固定的なプログラムが少ないといった現在のスタイルに生かされています。これは、利用者への負荷を少なくし、各自のペースを大事に、しかも仲間どうしの交流を促進するための工夫です。
プログラム中心に展開される場であれば、職員はプログラムに働きかけることが、同時に、間接的な利用者への働きかけにもなります。しかし、利用者中心で日常が展開されている私たちの事業において、利用者に直接働きかけなければなりません。ある人の悩みに耳を傾け、励まし、これからの方向を一緒に考えます。しかし、その働きかけは、同時にその場にいるほかの人との交流を人間的に促進するものでなければなりません。ある人だけへの一方通行の働きかけでは、その場全体の成り立ちをゆがませてしまいます。
こちらを立てればあちらが立たず…そんなふうに利用者との関係のあり方がむずかしく感じてしまう場面やできごとがいくつかありました。職員には、利用者個人に働きかけつつ、グループ全体も活発になるような関係の仕方が求められます。それができなければ、現在の運営の仕方を変更しなければなりません。運営の基本を確保できるように、職員の力量もバランスよく調和しなければなりません。
職員と利用者との関係は大きな存在になりました。人間関係は、どのような組織にとってもそれは大きな資源ですから、職員と利用者の良い関係のあり方を考えることは、就労継続支援事業だけの問題ではなく、当法人全体の発展に関与してくる課題になってきたといえます。
私たちが直面している課題2
昨年度の事業実施報告ではこのように報告していました。
「私たちの『牧歌的』な運営スタイルは、07年度から起きているようなシビアな『内部』的な課題には対処しにくいことが次第に明らかになってきました。青森県運営適正化委員会への対応。外部団体や個人とのやりとり。一つ一つに対応してきましたが、多くの時間をさかなければなりませんでした。その結果、活動の停滞を招きました」と、「事業の前提的な課題」についてふれました。
依然としてこの課題は持続しています。その一つ。2007年丸紅基金(100万円)によって事務所の台所とミーティングコーナーの設置をおこないましたが、2009年春になり、「丸紅基金は毎年10月以降おこなう事業に対して助成するはずだが、当法人が行った2007年の事業の一部は同年10月以前におこなわれた」という「指摘」がなされました。代表と同基金事務局とで話し合い、同基金の内部基準に沿わない箇所、77万円については2009年度に全額返還しました。助成金の使途の問題ではなく、工事着工の時期が、助成金を支給する側の基準に沿っていなかったというミスです。今後、なお一層、与えられた基準や要件を守っていく努力をはらわねばなりません。
このように、この「課題」は、外部との関係において判断し、決断しなければならないできごとを次々と生み出しています。機動的に運営する理事会のあり方がなお一層求められた1年でした。
機動性と同時に、運営のいろいろな側面の形式を整える必要も生まれました。トラブルが生じると、形式の不備を指摘されることが多々あります。うまく行っているときには必要のない内部規準、仕組みも、課題をかかえるようになるとたちまち必要になります。
今年度は、8月にオンブズマンを導入しました。それから、構想から1年もかかりましたが、2010年3月に運営協力委員会を設置することができました。これによって、障害福祉サービス事業の透明性を確保しつつ、利用者の声を反映させやすい仕組みを整えることができました。なお、障害福祉サービス事業のパンフレット2版もできあがる予定になっています。
現行では、運営委員会が日常の執行機関ですが、身近なことに速やかな対応が必要になることが多く、運営委員会の他に三役会議の設置を検討しています。その際、閉鎖的な三役会議になることを避けるため、いままで外部にいた方に理事の就任を依頼し、その新理事が三役会議に参加することで、広い視野に立って運営できるようなすすめ方を検討しています。
09年度の成果
課題2の事情によって、07年度以降、講演会など外に向けた活動は著しく低下していましたが、09年度は3回の講演会・学習会をおこないました。5月の総会に合わせたシンポジウムには、広田和子氏(精神医療サバイバー&保健福祉コンシューマー)、胡内敦司氏(厚生労働省(前)精神・障害保健課)、能登正勝氏(函館:NPO法人全国精神障がい者地域支援センター)、西文雄氏(秋田:NPO法人鹿角親交会)に参加いただき、職員の新井智恵とともに「10年目のまなざしから――つながり、語りあう」という題で話し合いました。
9月には「仕事・つながりを考える」ということで、ヘルシーインあさむしに宿泊しての学習会をもちました。一日目は佐々木賢氏(神奈川県高校教育会館教育研究所代表)に、二日目はNPO法人活き粋あさむし事務局長三上公子氏、同法人「いきいき農園」チーフの櫻庭功大氏のお話を聞きました。
2010年3月には再び、広田和子氏にきていただき、「心の病をかかえながら、地域に支えられ、地域を支える」というテーマで講演していただきました。これから少しずつ外部に向けた活動を広げていきたいものです。
東奥日報(10月)や読売新聞(1月)で私たちの活動について取り上げられました。チャリティー企画第3回「布あそび展」を6月12日から14日の3日間、開催しました。音楽ネットのコンサートでの物品販売など小規模バザーを11回おこない、市民との交流を図りました。ホームページを4月にリニューアルし、7月からはサンネット日記というブログを設けました。
障害福祉サービス事業について
就労継続支援事業B型地域サービスセンターSAN Netは、登録利用者の利用日数が前年比12.8%増、支払い工賃総額は前年度比16.6%増でした。日常的にトラブルや課題をかかえつつも、登録利用者は10代から60代まで25人(うち2名は長期に休み)、男性15名女性10名という多様性、広がりをもちながら運営しています。今年度は、ビーズ会の発展、昼食会の復活、NPO法人活き粋あさむしと連携した健康弁当配達の開始が特徴的な話題でした。健康弁当の配達は、7月からの東青地域県民局の「ふるさと雇用特別基金事業・障害者が高齢者の生活を支えるまちづくり事業」委託によるものです。公用車2台体制が実現しましたので、より一層の活用を図っていきたいものです。
共同生活援助事業ワーカーズコレクティブハウスひいらぎは、定員6名のところ、今年度当初5名でスタートし、6月に県外転出者があり、それ以降は4名でした。
2010年春、あるご家族に出会いました。世帯主は障害がありますが、世帯全体としてグループホームへの入居要件がなく、しかしひいらぎのような場で日常的な支援を受けることが望ましいと思われるのでした。関係機関と検討し、3月に一般入居者として受け入れることになりました。グループホーム入居者が一般入居者家族を応援し、一般入居者家族は安心しながら新たな生活を築いていく。このような新たなグループホームの可能性について考えることができるのはうれしいものです。
二つの障害福祉サービス事業は、4月の報酬改正、10月の福祉・介護人材処遇改善事業によって財政基盤の改善が図られました。その一方、財政規模が大きくなり、しっかりした会計管理が求められるようになりました。事業に関わる職員・利用者が増えました。人のつながりを大切にしたいと思う気持ち、考え、話し合える機会、体制の必要性がいよいよ高まっているといえます。
2、事業の実施に関する事項
(1)特定非営利活動にかかる事業
事業名 |
事業内容 |
実施日時 |
実施場所 |
従事者数 |
受益対象者の範囲及び人数 |
支出額 |
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サンネット事業 |
3回の講演会を開催。市民との交流を図り、NPOとの連携活動を行った。ホームページの充実を図った。 |
随時 |
青森県内 |
6人 |
不特定 |
1,815,347 |
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収益事業 |
就労継続支援事業B型 地域サービスセンターSAN Net |
地域サービスセンターSAN Netの運営を行った。宅配、花作業、ポスティング作業を中心に種々の活動を展開した。 |
日曜・祝日を除く年間290日。一日8時間。 |
青森市 |
9人 |
利用者など |
24,096,204 |
相談支援活動、一人暮らしの支援、女性当事者への支援を行った。 |
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新たに企業と連携したPC作業を開拓しつつある。当事者が講師となる小さな集まりを継続的に行った。地域の人との交流も図った。 |
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ふるさと雇用再生事業 |
7月から3月。週3日 |
青森市 |
8人 |
10人 |
4,643,179 |
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共同生活援助事業 ワーカーズコレクティブハウスひいらぎ |
GHへの入居要件を満たしていないと思われている人を一般入居者として受け入れ、新たな可能性を検討している。地域交流を促進した。 |
通年 |
青森市 |
4人 |
利用者5人など10人 |
6,799,261 |
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(合計37,353,991円)
(2)その他事業
今年度は実施せず。

