なんとなくサンネット日記(個人ブログ) としおのつぶやき

2012年7月7日

仕事・労働・活動№1 ピカピカの便器

Filed under: サンネットの仕事とは — toshio @ 12:42 PM

七夕

 「山下さん(仮名、50代の男性)が作業所のトイレを掃除した後は、入りにくいんだよな。俺が掃除するときより、ずいぶん時間をかけて、ピカピカにしているからなあ。」

 当事者が運営している作業所。後輩の菅井さん(仮名、30代の男性)が、先輩について語った話です。

 菅井さんは人望ある若手メンバー。野球でいえばキャッチャータイプの人。山下さんの悪口を言っているのではありません。日常を共有しているという親しみ、その奥にある信頼と敬意、彼はそういう思いで言っていると思いました。

 長い歴史ある作業所。創設メンバーの一人の山下さんは、作業所の何回もの移転、自治体との交渉、募金を集めて作業所の建設まで…ずっとかかわってきました。病気と闘い、作業所の維持と発展に力を使い、自分の人生を切り拓いてきました。

 みんなが使う作業所。便所の掃除もみんなで交代で行っていますが、山下さんにとっては、仲間たちとの思い出、歴史が染みついているこの場所は特別。事務所、玄関、倉庫、便所…それらはただの機能、モノではなく、思いと歴史と誇りが集積した固有な場所。だから、便器だってピカピカにしたくなる。そこは菅井さんにしっかり伝わっています。

 菅井さんは、「入りにくいんだよなあ」とぼやきじみた言葉を口にしつつも、山下さんの思いを引き継ごうとしているのです。

 作業に特別な思いをこめるとき、その作業は特別な価値をもちます。そしてその価値が別の人に伝達します。私たちは自分の行為を、作業、仕事、労働、活動のどこに分類し、どのような価値を行為にこめるのでしょうか。

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