なんとなくサンネット日記

2011年8月15日

ナスの天ぷら

Filed under: つぶやき — toshio @ 5:51 PM
「ナスの天ぷら」の完成

「ナスの天ぷら」の完成

 子どもの頃、ぼくの家で「ナスの天ぷら」と呼んでいた料理があった。

 ナスの天ぷらを揚げる。その一方でドレッシングのような漬け汁をつくる。トマト、にんにく、唐辛子を、熱したサラダ油で通して、酢、塩、コショウで味付ける。ここに、ナスの天ぷらを漬け込む。作ったその日もおいしいが、翌日がいちばんおいしいと思う。

  子どものぼくは食が細く、偏食だった。トマト、ピーマン、たまねぎ…このへんは大嫌い。かぼちゃの柔らかいところ、白菜の漬物の先は、まあ食べる。ナスは味噌汁に入っているときだけ食べた。イモ類は好きだったと思う。こんな状態だから、当然、「ナスの天ぷら」は食べない。天ぷらを揚げ終わった残りの粉で、衣だけの天ぷらを揚げてもらうとそれだけ食べた。

 両親や兄姉たちは、ブラジルで暮らしていたので、いくつかの外国料理が家庭料理だった。「ナスの天ぷら」は近所のイタリア人から教えてもらったと言っていた。だから、イタリア料理なのかもしれないが、よくわからない。

 ぼく以外の家族はみなこれが好きだったから、夏になると「ナスの天ぷら」が食卓に出た。たくさん作って、次の日になると減っていく。ぼくにとっては気味の悪いものでしかなかった。

  あの赤い丸まったものは何だろう?(「トマトの皮」)、表面に浮いている丸いのはなんだろう?(「サラダ油」)…あまり見ないようにして、何か他のものを食べようっと!

 もっとよくわからないのは、ぼくがなぜこの「ナスの天ぷら」を好きになったかだ。

 まったく口にしていなかったのに、23歳のときになぜか、突然、食べたくなった。トマト、唐辛子、ナスの天ぷら、酢、この組み合わせが、うまそうだと思ったからかもしれない。たまらなく食べたくなって、いても立ってもいられない。

  母に電話をして作り方を教わる。こんなことはあとにも先にもこれが1度きりだった。電話でレシピを伝えたことがない母は、大匙も、カップも、ごちゃ混ぜ。真面目に教わったとおりに作ったので、食べられたものではないものができた。

 帰郷したときに、母に作ってもらい、作り方を見た。味を覚え、大体の分量もわかるようになった。 「ナスの天ぷら」はそれで育った「お袋の味」ではない。でも、それに近い「何か」だ。

 

畑の作物、雨が少なかった

畑の作物、雨が少なかった

 

この夏、関東地方にいいる若い女性の友人から、「あのナスの天ぷらの作り方を教えて」と頼まれた。そこで、電話で教えようとした母のように、今度はぼくがその若い人に教えることにした。

 でも、いつも適当に分量を入れているので、きちんとしたレシピにはならない。不思議なことに、電話で困っていたあの時の母は、いまのぼくと同じ59歳。分量を言葉で伝えられないのも同じ。ただ、現代は画像を添付できるインターネットがある。

 

  

 

カリッと揚げます

カリッと揚げます

 

ナスの天ぷらを揚げます。今回は6本くらい。4人分程度。(3本は切ってみたらダメだった)

縦に切ったほうが、食べやすいと思います。

  

 

 

 

準備

準備

 

 揚げた油の残り…たぶんカップ1くらい。

 トマト2こをザク切り。にんにく2かけ。唐辛子3本。

  

 

 

 

 

ゆっくり火を通す

ゆっくり火を通す

 

 先ににんにく、唐辛子を油に、香りが移ったら、トマトを入れて火を通す。

 唐辛子をずっと入れっぱなしだと辛くなりすぎるかも。

 

 

 

 

こんな感じになったら

こんな感じになったら

 

 トマトの形がなくなったら火を止めます。塩、コショウ、そして冷やしてから酢。

 この分量が適当です。たぶん、油の半分くらいの量の酢ではないでしょうか。ドレッシングが1:2のわりあいなので…。なめてみて、ピッりっとするくらいがいいと思います。

 さらに漬け汁を冷やして、器にナスと漬け汁を交互に入れます。そして完成です。

 なんとか、レシピ?が伝わったでしょうか??冷蔵庫で冷やしておいて、食べてもおいしいです。どうぞ、召し上がれ!

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏

 

地にひまわり空に白雲たんねんに生きよ生きよと八月の来る   佐々木克子

 

 95年8月の朝日歌壇の歌です。戦後50年のこの頃、まだ戦争の影は街のそこここありました。「たんねんに生きよ」とはいい言葉です。反戦を願い、日常を生きる、地に足をつけた姿勢が感じられます。2011年の今日、あらためて、問いかけたい言葉です。

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